私とスターウォーズフィギュア

実は私はフィギュアに興味は無かった。スターウォーズは初公開時からケナー社がアクションフィギュアを出していて、日本にも輸入されていた。日本で作られる玩具はR2D2がメインでキャラクターのフィギュアはほとんど無かった。メインキャラクターやエイリアンを集めようと思ったら輸入品に頼るしかなかったが、当時の私にはそれをコレクションする程の金銭的余裕が無かった。フィギュア一体に1000円以上かけるくらいなら映画のチケットを買って何度も見返す方を優先した。ビデオも無かった時代である。メモを片手に画面を凝視し、合成のミスや画面の気づいた事を、暗がりで記録していくしか無かった時代。レーザーディスクが出始めてから、少ない小遣いは映像方面に投資され、やはりフィギュアには向かわなかった。既に海外の雑誌を定期購読していた私は、特殊効果の情報を得る方面に金銭を注いでいた。

フィギュアを完全に諦めたのは1995年頃、特別編の公開前後だったと思うが、それまで名前の無かったエイリアンやドロイドに細かく名前がつき始めて、ありとあらゆるフィギュアが出始めた頃だった。パッと見、「お前誰やねん」って奴が堂々と商品になってるのを見てもう追いかけられないと思った。おまけに、小説やコミックスやゲームなど、日本では紹介されないコンテンツもフィギュア化の対象になって、さすがに何がなんだかわからなくなってしまった。まあこれはしょうがない。海外でガンダムの商品展開を見れば同じように思うだろうから。日本に生まれた不幸を呪うしかない。


考えが変わったのは3DCG版「クローンウォーズ」だった。それも2008年のセレブレーションジャパンで監督のコメントを聞いた後だからだいぶ最近の話だ。最初に見た玩具はコトブキヤのARTFIXシリーズ展示だったから、余計フィギュアに対する評価が上がった。正直、ハズブロのベーシックフィギュアより別格の出来の良さだった。最も、一体4000円前後するから当然だけど。おまけに、実在の人物を人形化するより、3Dモデルを人形化する方が、できあがりに違和感が無い。
「クローンウォーズ」映画公開に合わせてトイザらスは大々的にキャンペーンを打ったが、その後仕入れすぎたのか何度も何度も半額セールを繰り返した。実は、そこで初めてフィギュアの修羅の道に足を踏み入れた。
あのトイザらスリアランスセールは悪魔の呼び声だ。


そう言う経緯で始まった、クローンウォーズフィギュア収集なので、実は初期ロットのヨーダとアナキンが抜けたままなのだ。もっともリパック(赤パッケージ)やバトルパック(詰め合わせ)で人形自体は持っているのだが、コレクションとしては不完全のままだ。以後、抜けているバージョンや、海外専売物をあちこちで見つけては取り寄せる血を吐くようなマラソンが始まった。さすがにビーグル系は置く場所の問題もあって躊躇するが(それでもミレニアムファルコンは買った)バトルパックで無ければ入手出来ないアイテムは泣きながら購入する。クローンウォーズは、まだスターウォーズのラインナップよりはまともで、印象の残らないフィギュアがラインナップ化されるまでは行ってない。むしろ、リペイント(塗り直し)である事は承知の上で「サイアは限定かよ」「エコーはまだか」とトルーパーの細かい収集まで楽しんでいる始末。テレビシリーズだから、映画よりも丁寧に描かれているのもあるし、それぞれにドラマが用意されているからSWレガシーシリーズよりは感情移入が出来る。まあトルーパーだらけだと言う指摘はその通りだと思うが。


2シリーズ目も始まって、更に修羅の道が待っているが、おそらくこの道はどこまでも果てしなく続くのだろう。
ちょっと疲れてレガシーコレクションにも手を出してみたりもする。ああ。楽しいぞフィギュア道。