スプリンターセル コンヴィクション
実は私は、うまいこと旧XBOX、XBOX360共に、「スプリンターセル」をすり抜けるように生きてきて今まで接点が無かった。トムクランシーの名前は映画や、「レインボーシックス」他の媒体で知っていたからその新作という部分で気にはしていた。
ゲームで言うと「レインボーシックスベガス」「&2」「ケイン&リンチ」の様なアメリカドラマを体験するようなゲームは大好きだし、更に言えば「ストラングルホールド」等は個人的神ゲーだし。この路線のゲームを身体が欲していたのは確かだ。
で、そこにUBIが満を持して全力でこの日本市場に立ち向かってくると。
何しろ、片手間にローカライズして字幕入れただけ(CoD4)、しかもメインの台詞のみ(バイオショック2)、しかも誤訳(CoDMW)みたいな半端な気持ちでは無い。
まあUBIには「プリンスオブペルシャ」で声優の選択をミスった前科があるので安心は出来なかったが、この贅沢な仕様を見て本気を感じた。
- 日本版はフルローカライズ
声優に実力派を配し、まるで洋ドラマを見ているような気分
しかも英語版音声も収録 - 初回限定のリファレンスガイド(A5判68ページ)!
下手にファミ通が攻略本を出すより全然マシ! 実際ファミ通本誌もファミ通XBOXも、この小冊子以上の事は書かれていない! 声優インタビューや、過去作からの履歴も完璧! - 海外版では初回特典店舗特典などの特殊コンテンツを完全収録!
- 特殊なアクションを堪能出来る体験版を約1ヶ月前に配信!
特に全部入りの仕様は、下手にアジア版に走ってしまう日本ユーザーを引き留めるに役立っていると思う。そして日本語吹き替えの本気度も、実際プレイしてみると更にわかる。
特に吹き替えの脇役音声は大事だ。環境の中で消え入りそうな会話でも、街中の雰囲気や、敵陣の雰囲気を醸し出してくれる。ステルスアクション中は、敵の声も大事な要素だからここで手を抜かれると困った事になるが、ちゃんと雰囲気ばっちりだ。(まあ繰り返しが多いのは、しょうがないけど)
さて、ステルスアクションに関しては他に語る人も多いだろうから、ゲーム内の表現に関して。
ゲームの開始からしばらくはおそらくプリレンダのCGで始まるのだが、すぐに操作可能なポリゴンムービーに変わる。多少質感が変わる物のそれでも充分な程の表現力と、舞台が人の大勢歩き回る市場という、技術的には泣きそうになるシチュエーションから始まる。何というか、ハードに対する挑戦のようなシチュエーションだ。しかも自由度の高い部位破壊、アクション。進行に迷っても安心の”はっきりと明示される指示”。
これはゲームやってもらうとわかるが、まるで映画「パニックルーム」でピクチャーミルが担当したような表現が現れる。照明や、映画フィルムの映写の様な表現で回想や暗示が登場し、戸惑いは感じつつもその表現に馴染んでいく。元々ゲームのステルス性が、光と陰を利用した物なのでそこにこう言った光の表現を重ねてくるのは芸術性さえ感じる。
また、アクションに話を戻すと、自由度の高さ。部位破壊もそうだが、拷問コマンドを実行する時、敵を移動させて場所を変えてアクションを起こすと、そこのアイテムに干渉していく。おお。アクションドラマだ! と自分が玄田哲章になった気分満点である。
ゲームはなかなかむずい。
何度かリロードしていくと、敵の配置やどこにポジションを置くか、考えが出来てきて、決して積むわけではないけれど、死んで覚えろな感じが無くもない。だが先に進みたくなる魅力がある。うん。
- 出版社/メーカー: ユービーアイ ソフト
- 発売日: 2010/04/28
- メディア: Video Game
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